作品に思い出を込めて – DARK END OF THE STREET

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突然の知らせ

師走の寒い日、突然の知らせをFacebookで拝見し、目を疑いました。DARK END OF THE STREETオーナー中島裕さんが急逝されたという訃報。記事を追うたび、それは次第に現実を帯びていきました。

 

葬儀の情報もFacebookを通して知ることができました。革製品のオーダーを通して知り合った側ですので、より親しい方々の最期の時間をできるだけ邪魔はしないようにして、葬儀にも参列させていただきました。

 

ご参列されている方々から聞こえてくる話を通して、誰もが中島さんの人柄に惚れ、好かれていたとわかる中島さん。葬儀会場には、まだ中島さんがいるような気配がずっと漂っている中で、知り合えたことに感謝し、お別れをして参りました。

 

オーダー中の作品

私事ですが、2019年11月にペンケースをオーダーしていました。次は設立した法人用の名刺入れを予定しますね、なんて話をしていた矢先でした。

 

結局、完成したギターストラップ、私が有する中島裕さんの遺作になってしまいました。

 

ギターストラップがあまりにも素晴らしかったので、大手楽器店をいくつか紹介し、ギターストラップオーダー会も進んでいました。素晴らしい革職人の作品が、これ以上見られないことが残念でなりません。

 

返金の連絡

落ち着いた頃、前述のオーダー・入金済みペンケースに関して返金のご連絡を奥さまから頂きました。片付けもあり、しばらくの間お店を開けているということで、伺うことにしました。

 

最後の訪問

これまでと同じ通り、Moto Guzzi V7 Anniversarioで伺うことにしました。Moto Guzziで乗り付けたら、もしかしたら中島さんがひょいっと現れてくれるのではないか、そんな甘い、非現実的なことを考えてしまいましたが、それでも、もしかしたら音だけでも届くのではないかと思ってしまいました。

 

気分によっては通勤で使うとおっしゃられていた、中島さんのMoto Guzzi + MAGNIという激レアバイクはもうありませんでした。

 

少しこみ上げるものがありました。ですが、他にもたくさんの方々がお店を訪れていました。そして、中島さんのMoto Guzzi + MAGNIは、ご親交の深い方に引き継がれたと風の便りで知ることができました。

 

最後のセール

お店では、中島さんの作品たちを見にいらっしゃる方々で混雑している中で、最後のセールが行われていました。

 

その中で、値段のついていなかった名刺入れと思われる作品を見つけました。奥さまに訪ねたところ、値段がついていないのでわからないという回答の中、周囲にいらっしゃった常連の方々が「経年変化を見せるためのサンプル」で、実際に中島さんが最初の頃使っていたものだった、とのことを教えて下さいました。

 

行き先が決まっていないのであれば、ぜひ譲って頂けないか、ということで奥さまにお話させて頂きました。ペンケース未完成の返金は、中島さんがご愛用されていた名刺入れに変わり、私の法人用の名刺入れとして受け継がせていただけることになりました。

 

きっとこういう縁だったのかもしれない、と思うようになりました。

中島さんの作品を背負って、それに恥じぬよう、これから頑張っていきたいと思います。

 

さいごに

下北沢のDARK END OF THE STREETは、早ければ2020年1月に閉店となります。中島裕さんと出会えたことを光栄に思うと共に、彼とその作品たちへの敬意をこのブログに込めて、残します。

 

中島さん、お世話になりました。

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