「女心と秋の空」と昔から言いますが、最近の天気は秋に限らずご機嫌が変わりやすく、その上、週末は決まって荒天の予報の中、いつの間にか夏が終わってしまいました。そんな夏からにわかにキャンプ熱が高まって来ていました。キャンプグッズを調べて購入し、計画をする週末を何度か越え、ようやくこの日、初めてのソロキャンプツーリングを決行しました。
この記事が合計15,000文字となる長編になってしまいましたので、前編と後編に分けました。
本ブログは後編、下記は前編:ツーリング編です。
[ツーリング編]天の気分次第?1泊2日初めてのソロキャンプツーリング
なお、このツーリングでは、バイク高速乗り放題プラン「ツーリングプラン」を利用しています。
コース
初めてのソロキャンプ向き!?と勝手に自分で決めたふもとっぱらキャンプ場を目指しながら、その周辺でこれまでに訪問していないいくつかのポイントをめぐる、1泊2日の旅にしました。
コースは以下です。
経由地
- 新倉山浅間公園
- 元祖みうらうどん
- 鳴沢氷穴
- ふもとっぱらキャンプ場
- 道の駅 朝霧高原
- 富士眺望の湯 ゆらり
それでは後編のキャンプ編です。
ふもとっぱらキャンプ場
鳴沢氷穴を出発後、国道139号線を御殿場方向に向かいます。道の駅朝霧高原を過ぎて、2.5kmくらいのところに入口があります。
鳴沢氷穴を出たあたりから、随分下降気流になってきていて、ポツポツ来ているなと思っていたところ、ここでまさかの雨、しかも、勢いは増すばかり。
入場、と共に・・・
週末に台風や雨ばかりの時期だったので、念には念を入れて、降水確率の最も低い2日を選んだのに、ふもとっぱらキャンプ場の入口についたときには、雨が本降りになってきていました。
受付
入ってすぐ受付を済ませようと順番待ちの間に、一番強い雨になりました。
外で待つMoto Guzzi V7 III Anniversarioはずぶ濡れ。受付を済ませたらすぐにテントを張る場所を探します。
初めてのテント設営
本降りの中、設営場所を見定め、バイクも自分もできるだけ被害を少なくしようと急ぎます。しかし、急いては事を仕損じる、とはよく言ったものです。こういうときこそ、なかなかうまくいきません。
紙の説明書を読もうにも、広げると雨に降られて見えなくなってしまうし、かといって急がなければバイクも寝袋も濡れてしまう、そんな焦りの中、効率が悪い作業を進め、ようやく初めてのテント設営を済ませました。
ちょっとした失敗
ワンタッチテントではあったのですが。バイクを雨から守るためのタープ張り出し方法が説明書になく、初心者ではなかなか分かりづらかったです。
DOD ライダーズバイクインテント T2-466
レビュー
私は、「DOD(ディーオーディー) ライダーズバイクインテント T2-466」を購入して初めて使用したのですが、いくつか簡単にレビューを残したいと思います。
1. ワンタッチはとても楽
非常に楽でした。大雨が降ってきた中、初めてでも5分程で形にはなり、雨の被害からとりあえず荷物だけでも、と寝室部に荷物を入れて、被害を最小限にすることが出来ました。
2. タープの支柱の支え方の記載がない
荷物を寝室部に入れたあと、バイクを雨から守るべく、軒先のようにタープを張り出してバイクを避難させようとしました。しかし、初心者にとっては、支柱を立てる方法等が説明書に書いておらず、商品画像を雨の中見ながら、ようやく設定することになったので、少し時間がかかってしまいました。
ちなみに、設置時に参考にしたのは、DODの商品ページの画像です。
3. 寝室部の床シートと天井カバー2重化の手順の記載がない
ワンタッチで設営できたメインのテントに付属している床と天井を2重化することができるシートの説明があまり詳しくないので、どこにどう止めれば良いかのわからず、結局使わないところもありました。
一度使ってみれば非常に使いやすい製品だとわかりましたし、コットを使っていたので特に被害はありませんでしたが、私のように本当に初めてキャンプをされる方には、ぜひご注意いただければと思います。
テント設営完了
だいぶ時間がかかってしまいましたが、設営を終えるとこんな感じになりました。
前室
タープより内側の前室はこのようにしました。
寝室
寝室はこのようにこうなっています。
テントの設営が終わったときには、雨はやんでいました。結局、Moto Guzzi V7 III Anniversarioの革の部分にだけ、テントのシート等をかけてごまかしながらの作業となりました。
本当は、快晴の秋空の下、富士山の前にバイクをゆうゆうと停めて、「ここをキャンプ地とする」とか心の中で言いながら、愉快に設営したかったんですけれどね。
このブログ最後(以下リンク)に、使用しているキャンプ用品を掲載しています。
午後の紅茶タイム
一旦ゆったりしようと、紅茶を淹れることにしました。ふもとっぱらキャンプ場は、水汲み場が至るところにありますので、とても便利です。
水汲み場だけでなく、中央には新しいトイレと水洗い場が新設されていました。
杉の木が香る、とてもきれいな設備でした!
初めてバーナーに火を入れ、紅茶を淹れました。
クッカーとバーナーを使ってお湯を沸かします。使っているクッカーとバーナーは以下です。
イワタニ ジュニアコンパクトバーナー
とてもコンパクトに収納でき、家庭用カセットコンロが利用できるのでとても便利です!
snow peak トレック 900
一人用キャンプならこれで十分だと、改めて思いました。
紅茶を飲みながら、まだまだ雲の向こうに隠れている富士山を見上げ、ゆったりとしていました。
余談
少し外れた場所にハーレーダビッドソンでソロキャンプをされていたおじさんがやってきて、私のテントをしばらく眺めていたので、話し始めました。私のテントと同じシリーズの一世代前を持っているが、タープ部分がそこまで広くなく、バイクを隠せるほどではないので、おっ!と思って来てみたとのこと。写真も撮らせてほしいとおっしゃっていただきました。
「買い替えたいなぁ・・・でも、すぐ良いのが出てくるんだよねぇ、カミさんに怒られちゃう。」という言葉に、「僕のせいにして、買ってしまえば良いですよ」と返し、しばらく談笑していました。
しかし、ここ、ふもとっぱらキャンプ場は17時前後で外との出入りが出来なくなってしまうということで夕飯の買い出しに行くことにしました。
食材調達
道の駅 朝霧高原
せっかくだったらこの付近でしか食べられないものを食べたいと思い、鳴沢氷穴方向に2.5kmほど戻り、道の駅朝霧高原に行くことにしました。
いくつかある選択肢の中から、「朝霧ヨーグル豚フランクフルト」と「最高級赤たまご 富士の名月」を購入することにしました。
あさぎりソフトクリーム
フランクフルトを購入したあと、雨に濡れているにも関わらず、甘いものが欲しくなってしまいました。牧場、高原といえば、そう、ソフトクリーム。
400円はちょっとお高め、と思いましたがツーリング中の迷いの選択肢は「全てYes」と決めているので、早速購入することにしました。
日本全国津々浦々色々なソフトクリームがあるなかで、「牧場の新鮮な牛乳」という言葉に私が期待するもの、それは「濃厚さ」です。
この、あさぎりソフトクリームは、さっぱりではなく、しっかりずっしりと濃厚さを感じられるタイプで、それなのに甘ったるくはない、私が求めるソフトクリームの味で満足いたしました。
最寄りのコンビニ:ファミリーマート富士宮朝霧店
道の駅 朝霧高原からふもとっぱらキャンプ場方向に戻りました。下調べをしたときに、最寄りのコンビニはセブンイレブンしかないということだったのですが、ふもとっぱらキャンプ場から国道139号線に出たすぐにファミリーマート富士宮朝霧店がありました。
もしかすると、最近できたのかもしれません。ここで、バターこそ持ってきたのですが、「朝霧ヨーグル豚フランクフルト」が焦げ付かないようにもう少し油を増やそうとベーコンと、夜のお供、ブラックニッカウィスキーを購入しました。
調理:夕飯
食材調達を終え、戻ってきた頃には夜が迫っていました。早速食材の調理に取り掛かり、男のキャンプメシに取り掛かりました。
調理というほど、本格的なものではではありません。
ベーコンエッグ
買ってきた朝霧ヨーグル豚フランクフルトとベーコンを炒めます。
そこに、最高級赤たまご 富士の名月を3つ!
玉子の色の濃さが、食欲をそそります!塩と胡椒だけは持ってきたので、少しだけ味を足し、良い頃合いで頂きました。朝霧ヨーグル豚フランクフルトは、皮がパリッとしていて、中はとても弾力抜群!最高級赤たまご 富士の名月はとても濃厚な玉子の味で、大満足でした!
とはいえど、これだけでは足りないだろうなと思っていたのです。
日清カップヌードル
なぜなんでしょう、こういうときに日清カップヌードルが食べたくなるのです。その想定をしていたので、日清カップヌードルのリフィルを用意していました。
クッカーに入れ、あとは普通に作ります。
これが、冷えていく外気の中で良い匂いで出来上がると、たまらないごちそうになるんですよね。
一気に食べ尽くしたあと、ピンと閃くことがありました。
翌日の下ごしらえ
購入した食材を半分ずつ使って夕飯を作ったのは良いものの、残りは冷凍保存できるわけではないですし、封をするものも持ってきてはいませんでした。そこで、日清カップヌードルの残り汁を使って、ポトフ風に煮込むことにしました。
これで、クッカーの蓋を締め、翌日に玉子を入れれば素敵な朝食になります。夜になれば、自然と冷えてくるので、大丈夫だろうと思っていました。
夜は更けて
LEDランタンをMoto Guzzi V7 III Anniversarioに取り付けたり、テントにぶら下げたりして、明かりを確保しました。
LEDランタンは、かなり明るいです。
LEDの眩い光のせいでしょう、気がつくと蛾がV-Twinエンジンに止まっていました。
シガータイムと星空と
食事を終えた頃には、夜があたりを完全に包み込んでいました。
買ってきたブラックニッカクリアウィスキーを富士の湧き水で割り、シガーと共に夜の静寂と読書をゆっくり楽しむことが出来ました。
いつの間にか夜は更け、だいぶ寒くなっていました。
そんな中、周囲のテントが明かりを消して行く中で、寝る前に見上げた夜空に見える星々をどうにか残したいと、iPhoneを使って撮影しました。
星空(iPhone SEで撮影)
「春は夜桜 夏には星 秋には満月 冬には雪 それで十分酒は美味い」
「それでも不味いんなら、それは自分自身の何かが病んでいる証だ」と続くあの言葉が、脳内にリフレインするようです。
2019年ここまでを静かに思い返しながら、テントに入ることにしました。
防寒対策
想定では、長袖を1枚持っていけばきっと大丈夫だろうと思っていましたが、長袖だけでは寒い思いをする気温でした。元々、耐用温度5度の寝袋も持っていく予定はなかったのですが、持ってきて本当に良かったと思います。9月であっても、標高800mを超えるふもとっぱらキャンプ場の朝晩は非常に寒くなりますので、防寒対策は必ずした方が良いと思いました。実際、夜明け前は寝袋の中でも若干寒く感じました。
事案:眠れないのは、寒さのせいじゃない
深夜、暗闇の中、何か不自然さを覚えて、目がパッと覚めました。防寒対策はなんとか間に合っていたにも関わらず、生命の危機を感じた音が聞こえてきました。
獣が歩いていて、鼻を効かせている音がする・・・。ふもとっぱらキャンプ場ですら、熊が出るのか?と脳裏を駆け巡りました。その時、いつかWIkipediaで読んでしまった三毛別羆事件が脳裏をよりぎます。ここで死ぬわけにはいかない・・・。ただ、テントを開けて確認するほどの勇気もない。しばらく様子を見てみることにしました。
そして、1時間弱が過ぎました。しかし、音は微妙に移動しているようで、大きく移動はしていませんでした。おかしい・・・。もし熊であれば、明朝用に作ったポトフの匂いに感づき、こちらに近づいてくるはずで、周囲のテントも大騒ぎになるはず、と冷静に思い返しました。
1時間後に判断したこと、この音は「10mほど離れた隣のテントの人のいびき」であるということ・・・。
勝手に生命の危機を感じ続けたせいで、妙に目が覚めてしまい、本来であれば富士山の向こう側からやってくる朝日を迎えるはずだったのに、起きたのは夜が明けた6時半過ぎでした。
翌朝
やはり、夜にまた雨が降ったようでした。寝る前にバイクをタープの下に移動しておいたおかげで、バイクは雨露に濡れずに済みました。
昨日までは雲に隠れて見えなかった頂上も、うっすらと姿を見せていました。
調理:朝食
睡眠時間は十分取れたはずなのに、何か重い感触を残しながら、調理に取り掛かりました。
昨日仕込んでおいたポトフ風のスープに、玉子を落とし、少し煮ただけでなんという素敵な朝食になるのでしょう。
なぜかわかりませんが、生きていてよかったと思えるのです。
朝食を摂り終わった頃には、富士山は雲のないその頂上を見せてくれました。
撤収開始
午前8時過ぎ、少し早めですが、撤収もきっと時間がかかるだろうと思い、早めに片付けを始めました。その際、私のテントの一世代前を利用するハーレーダビッドソンのおじさんが一足早く出発していきました。私のテントの前を通り、挨拶をしてくれて。こういうふとした旅の中での繋がりが、たまらなく好きです。
僕の片付けは予想通り、1時間とちょっとかかりました。バイクに積み込み、出発準備も完了です。
ごみ
ふもとっぱらキャンプ場では、ごみ袋を1枚100円で販売しています。このごみ袋を購入かつごみが袋に収まる範囲は、受付の裏にあるごみ集積所で回収までしてくれます。
キャンプ場ではごみの持ち帰りが必要なところも多い中で、バイカーにとってはこのサービスはとてもうれしいです。私も、本当は持ち帰ることを前提として最小限にまとめたつもりでしたが、それでもある程度は出てしまったので、このあとの帰路を考えると非常に助かりました。
もう少しゆっくりしても良かったのですが、色々回ってしまったがために入ることの出来なかったお風呂に入りたくて、午前9時過ぎ、少し早めに帰路につきました。
富士眺望の湯 ゆらり
ふもとっぱらキャンプ場には、富士眺望の湯ゆらりの200円割引券が置いてありました。平日は1,300円が1,100円で利用することができます。この券を握りしめて、まだ寒い朝の道を、夏用ジャケットで我慢しながら走り続けました。ふもとっぱらキャンプ場からすれば、多少は標高が下がっていくことになるので徐々に気温は上がっていきますが、富士眺望の湯ゆらりに着くまでには夏用ジャケットが体を冷やしきってしまいました。
ようやく着いた富士眺望の湯ゆらり。バイクを停めて、駆け込みます。中は撮影できないので、写真はありませんが、露天も2階構成になっていたり、炭酸泉やサウナも多種ありました。休憩所では眠れなかった昨晩があったため、少し仮眠をすることも出来ました。
富士眺望の湯ゆらりを出て、帰路に付きました。往路は富士吉田を抜け、この日は吉田うどんを食せず、御殿場方面に抜け、東名高速道路で帰宅しました。地図だけの往復で見ると250kmを超えたところですが、実際は300km以上走っていました。寄り道も迷うことも、旅の一部として楽しいですね。
使っているキャンプ道具
このブログを締める前に、今回のソロキャンプ開始に伴って揃えたグッズを、若干のコメント付きで紹介します。
DOD ライダーズバイクインテント
バイクの横幅に収まり、バイクにとっても雨をしのげる、バイカーにはおすすめのテントです!
DOD ワイドキャンピングベッド
DOD ライダーズテーブル
Helinox スウィベルチェア
snow peak トレック 900
イワタニ ジュニアコンパクトバーナー
DUG ダブルウォールマグ L
ハンガリー軍 ステンレス カトラリーセット デッドストック
カトラリーも3つで1直線にまとめることができ、全て必要なものが揃っているので、機能美としても素晴らしいです。
Coleman 寝袋 パフォーマーIII C5 使用可能温度5度
初秋のふもとっぱらキャンプ場で使用した感覚からすると、5度での利用はかなり着込まなければいけないかなと思いました。
Anker PowerCore 20100 (20100mAh 2ポート 超大容量 モバイルバッテリー)
iPhone SEを2台、19時から24時前まで常時LEDランタンに接続していましたが、1/4も利用しませんでした。
LEDランタン
ランタンは、その昔クラウドファンディングで購入したLEDタイプのものを、Ankerのモバイルバッテリーに接続して使用しています。
そのため、焚火台は買わなかったのですが、LEDだと虫が寄ってくること、9月のふもとっぱらキャンプ場の夜は既に寒いこと、そして何より、周りに感化されて焚き火をしたい!と思うようになり、ソロキャンプを終えてから以下を購入しました。
LOGOS the ピラミッドTAKIBI
LOGOS ピラミッドSPネット
さいごに
ソロキャンプ1泊2日の旅、今後はもっと泊数を増やして長距離で行けるようになるための前哨戦として良い経験になりました。装備も強化していきつつ、Moto Guzzi V7 III Annivesarioとの旅を続けていきたいと思います。
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