「女心と秋の空」と昔から言いますが、最近の天気は秋に限らずご機嫌が変わりやすく、その上、週末は決まって荒天の予報の中、いつの間にか夏が終わってしまいました。そんな夏からにわかにキャンプ熱が高まって来ていました。キャンプグッズを調べて購入し、計画をする週末を何度か越え、ようやくこの日、初めてのソロキャンプツーリングを決行しました。
この記事が合計15,000文字となる長編になってしまいましたので、前編と後編に分けました。
本ブログは前編、下記は後編:キャンプ編です。
[キャンプ編]天の気分次第?1泊2日初めてのソロキャンプツーリング
なお、このツーリングでは、バイク高速乗り放題プラン「ツーリングプラン」を利用しています。
コース
初めてのソロキャンプ向き!?と勝手に自分で決めたふもとっぱらキャンプ場を目指しながら、その周辺でこれまでに訪問していないいくつかのポイントをめぐる、1泊2日の旅にしました。
コースは以下です。
経由地
- 新倉山浅間公園
- 元祖みうらうどん
- 鳴沢氷穴
- ふもとっぱらキャンプ場
- 道の駅 朝霧高原
- 富士眺望の湯 ゆらり
それでは出発です。
出発
いつも通り、調布にある自宅を平日の午前8時30分出発しました。
違うのは、これまでにない積載量です。両方のサイドバッグにも、着替えを含めた荷物はパンパンに入っています。
中央道:調布IC〜富士吉田西桂IC
天気も良く、順風満帆のスタートとなりました。
調布ICから中央道を走り、富士吉田西桂ICまで一直線です。道志みちを走ってから富士吉田に入っても良かったのですが、ソロキャンプをメインにしたかったのでできるだけ時間をゆったりめに取ることにしました。平日だったこともあり、大きな渋滞はないまま、約1時間半で到着しました。
富士急行線寿駅
実はこの富士急行線寿駅を訪れるつもりはありませんでした。富士吉田西桂ICを降りたあと、ソロキャンプツーリングを開催することが出来て嬉しい気持ちの走りの中で通った道で見えた、なんとも気持ちが更に上がる駅名に遭遇できたのです。
写真だけでも、と思い、無人駅の写真を撮っていたところ、電車が通過するアナウンスが流れました。そこにやってきたのは、富士急行線の快速列車。
なんだか見たことある・・・、といつか見たインターネットでの情報を思い出しました。それは、富士急行線では、京王線の旧型車両が使われているということ。色こそ違えどこの形、1枚扉の入り口は子供の頃によく乗った京王線初代5000系の再塗装車両に間違いありません。
なんと2両目は、京王線当時のままのカラーリングで連結されていました。
払い下げられた時のまま使用されているのでしょう。昔懐かしいレトロな車両との突然の出会いは、私を幼少期の思い出の旅へ連れていきました。
若かった頃の思い出を巡りながら,その後姿をしばらく追い、佇んでしまいました。
新倉山浅間公園
予定外の寿駅から一路、これまで行かなかった場所へ向かいました。それがこの「新倉山浅間公園」です。
日本観光用のパンフレット等でよく使われているこの写真は、Googleで「日本 観光」と画像検索すると検索結果の1番に出てくることでも有名です。一時期、「新倉山浅間公園」は、その「日本らしい」富士山・桜・五重の塔の組み合わせから、京都にあうというデマが流れていたこともありました。
新倉富士浅間神社
バイクを駐車場に留め、新倉富士浅間神社の表参道から入りました。
紅葉し始めている中にある鳥居をくぐると新倉富士浅間神社が現れます。
手水舎で清め、旅の安全を祈願しました。
この場所の目玉スポットである頂上へ向かいます。たどり着くのに必要なのは、咲くや階段をただひたすら登ること。
咲くや姫階段
先行していた、海外から観光にいらっしゃった方々が、立ち止まっているのが見えます。
それはきっと、この階段を登る中での休憩だろうと容易に想像出来ます。それもそのはず、この咲くや姫階段は忠霊塔がある場所まで398段続いています。階段ではなく、坂道で忠霊塔までたどり着くこともできます。
ですが、五体満足で日本男児に生まれたからには、坂道や途中で休憩なんてとんでもない!と決め不退転の覚悟で登り始めました。運動不足の体にバイク用ブーツで階段を登るのは、急激でストイックなエクササイズになりました。自分がいかに運動不足かは、息の切れ方と足が重くなる感覚で十分に思い知らされました。
登りきったあとに見返してみると、達成感たっぷり、やり切った感があります。
その先に現れるのは、忠霊塔です。
忠霊塔
関東富士見百景の一つに数えられている忠霊塔(五重の塔)は、ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンの表紙を飾り、あまりにも有名になりました。
咲くや姫階段を登り終えた訪問者を、四季折々、富士山と共に迎えてくれます。それなのに、今まで訪問したことがない場所でした。なんと残念なことをしてきたのでしょう・・・。
ここに忠霊塔?
明治時代以降、急激な世界の変化の中で、日清・日露戦争から第2次世界大戦の戦没者を合祀するために建てられたようです。
この忠霊塔を見渡せるその更に上には、菊の御紋と共に明治大帝像があります。
咲くや階段を登り終えてプルプルしている足、汗を拭いながら、展望デッキに向かうことにしました。
展望デッキ
午前10時、残念ながら曇りがちで富士山頂も隠れてしまっているにも関わらず、既にこの混雑具合です。
最も開けている展望台の中心、まだ席が空いている場所に行ってみました。
松は忠霊塔を隠すことなく、目の前に広がる富士吉田の麓から富士山へ世界が開けているその景色に、心がすーっと解き放たれたような感覚さえ覚えます。
動画:展望デッキから水平撮影
その感覚を共有したく、DJI Osmo Mobile 2で水平方向の撮影をしてみました。
しばらくはこの風景の中でゆったりとしていたいところでしたが、他にも訪れたい場所や、メインのキャンプの時間を優先するために、ここは我慢して次に向かうことにしました。
元相みうらうどん
これまで、道志みち経由でのツーリングでは、必ず富士吉田には足を伸ばして吉田うどんを食べていました。特にたけ川うどんが好きだったりします。たけ川うどんを訪れた際のブログは以下です。
一度好きになるとずっと通い詰めるのですが、たまには違うところに行ってみようと調べたところ、有名店「元祖みうらうどん」に気になる文字が。それは・・・
昭和56年!!それは、私が生まれた年!
見た瞬間、絶対に行く!と決めました。
新倉富士浅間神社からはバイクでも10分弱、すぐにつきました。
午前11時30分頃、ランチタイム前だというのに、駐車場はほぼ全て埋まっていました。
バイクを停めて、お店に入ります。テーブル席は全て埋まっていて、既に相席状態でした。
見渡していると、ちょうどタイミングよく食事を終えた男性が立った一番入口側の席が空いたので、着席します。
吉田うどんは大盛り食べたいところなのですが、このあとの行程やキャンプの予定を含めると中盛に、ただし、その歯ごたえは楽しみたかったのです。そこで、今回は肉つけうどん(中)を注文することにしました。
肉つけうどん(中)
5分ほどで出て来た、「肉つけうどん(中):450円」です。
肉はどこに?と思いきや、つけ汁に沈殿しています。
まず、驚いたのが、これまで頂いて来た吉田うどんの中で、一番太いということ。
なんだか、とっても太いです・・・。
多分、これまでで、一番太いんだから・・・。
という下世話な書き方はやめにして、器の前に持った割り箸との比較をするとこんな感じになります。
遠近法を含めても、ほぼ割り箸の1本より太いです。これはきっと食べ甲斐があるだろう!と思ったらまさにその通り!いつも、道の駅富士吉田に立ち寄り、山梨県立ひばりが丘高校考案の「顎砕きMAX」を購入して帰っています。理由は、「一番太くて一番固いから」。
ですが、元祖みうらうどんはその上を行きました。
通常、つけ汁に全て浸してしまうと、少し濃かったりします。そのため、箸で取った麺のうち、65%〜80%をつけ汁につけるようにしていますが、麺の太さゆえ、足りなく感じます。
吉田うどんに欠かせない、すりだねを入れても、うどん自体の味が負けることはありません。
元祖みうらうどんの麺であれば、つけ汁に100%浸してちょうど良いと思える麺、うどんの噛みごたえと「食べた!」という感触、舌触りは柔らかいという味もとても大満足です!
お腹も満たされたところで、国道139号線を本栖湖方向に向けて出発しました。
天然記念物 鳴沢氷穴
国道139号線の辺りに差し掛かると、自殺の名所で有名な青木ヶ原樹海だったり、中年男性には少し心がささくれる「毛無山」といったような地名が見えてきます。
信号の少ない下道をゆったりと進み、徐々に標高が高くなるにつれその涼しさも増していきました。東京都心では31度の予報だったため、夏用バイクジャケットを着て来たのですが、既に少し寒いと感じ始めていた頃、鳴沢氷穴に到着しました。
注意事項
鳴沢氷穴に着き、富岳風穴とのセット割の入場券もあるんだなと思って見ていたら、注意書きがとても多いことに気が付きました。
そんなに大変なことはないでしょ!!
とこの時は思っていました・・・。
早速入場しました。
氷穴のできる理由を見て、勉強になるなと思いつつ「Why it is so cold?」という文字列で、厚切りジェイソンが「Why so cold?」と脳内に現れてしまっている時点で僕の負けです。
氷穴入口
インパクト大の「只今の気温0度」にお出迎えされ、一段ずつ降りてきます。
階段を数歩降りるだけで、一気に温度が変わっていくのがわかりました。
第2次世界大戦終了後、進駐軍によってこの場所はダンスホールにして使われていた、と書いてありました。
確かに、避暑 x ダンスホールとして最適な場所だったと思います。今も、そんなイベントしたらきっともっと観光名所になるだろうなぁと思いました。
よく見ると、井戸があります。
昭和40年頃まで氷穴内の氷解した地下水を汲み上げる井戸として機能していたようです。
氷穴洞内潜入
いよいよ洞内へ潜入します。階段が急なことは見える通りですが、それに加えて、急激に暗くなるのでブラックアウトしてしまいます。
洞内に入るには、洞内入口の階段前にある貸し出しヘルメットをかぶることが必須なのですが、かぶっておいて良かったと思いました。
何度も頭をぶつけましたし、思いの外、洞内は低く制限があります。
最深部へ向かって
最深部へなだらかに降りていく坂と共に、また一段と天井が低くなります。
快適な湿度と温度であることを除けば、まるでベトナム・クチトンネルを行くような感覚を思い出します。ほぼしゃがんでいる状態で進む最も狭い箇所の映像を、DJI Osmo Mobile 2を使って撮影してみました。
動画:鳴沢氷穴 – 内部最深部へ向かって
なおさら、ベトナム・クチトンネルツアーでDJI Osmo Mobile 2の電池切れを無念に思います・・・。ちなみに、ベトナム・クチトンネルツアーの記事は以下になります。
動画撮影使用機材:DJI Osmo Mobile2
私は、DJI Osmo Mobile2とiPhone SEを利用して撮影しています。旅先でもミニマムの装備で、最上位のスタビライザーを使用できます。モバイルバッテリーも内蔵していますし、今のところ、最強装備です!
まだまだ撮影技術が甘いですが、何卒ご容赦を!
黒龍神
最深部には、神棚が祀られていました。
黒龍神と記載されているあたり、こちらが北側であり、五行説でいう水の守護神であることがあるのだろうと思いました。
地獄穴
降りてきた階段とは別の方向に進むと、地獄穴があります。説明を見るだけでも恐ろしい・・・。
青いライトアップに導かれて、内部の最終地点へ向かいました。
こちらも綺麗でしたので動画でも撮影してみました。
鳴沢氷穴 – 内部最終地点
白龍神
先程の水・北を守護する黒龍神に対し、西側ということで白龍神だと思われました。ただし、白龍神は、五行説で「金」ですのでこれは?と思ったところ、説明が記載されていました。
先程の地獄穴にもあった、氷穴が続いているとされている江ノ島弁財天から分祀されているようでした。
出口へ
入口で降りてきた急な階段を逆に進みます。
洞内を出ると一気にカメラのレンズが曇りました。
氷穴内と外の気温差はそれだけ大きいのでしょうね。
氷穴を見終え、今回の回るべきポイントは全て制覇しました。ここからは本来の目的である、ソロキャンプに向かいます。目指すは、ふもとっぱらキャンプ場!
後編に続きます!
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