ご当地発酵料理・清麹醤(チョングッチャン) – Another Sky

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清麹醤(チョングッチャン)

ちょうど何度めかの出張となるその前、正月をゆっくりと過ごしていたときに、木村拓哉さん主演の「HERO」をテレビで見ました。映画の中で食べてみたいグルメとして探し回る「チョングッチャン」という言葉が引っかかり、今度の韓国出張の際、同僚に聞いて試してみようと思いました。

 

ランチの誘い

今回の出張のランチの中で、「ランチ、何か食べたいものある?」という言葉を、待っていました。同僚は驚いていました。同僚曰く、「僕は好きだけれど、韓国でも一部好きではない人はいるし、日本でいうなら納豆、台湾で言うなら臭豆腐のようなもの」だとのことでした。

 

初めての海外ゲスト

あまりゲテモノを試したいとは思いませんし、地元の方々が日々頂いている食事をゲテモノだと思うことはありません。ですので、国や地域の文化がわかる食事があるのであれば、許す限りぜひとも頂きたいと思うのです。それが、同僚が大好きだというものであれば、なおさらです。それに加えて何よりも「”チョングッチャン”をリクエストした初めての海外ゲスト」と聞けば、私は高揚するに決まっています。その上、「試すのは良いけれどどうしてもダメだったら素直に教えてね」と、優しく念を押された上でランチへ向かいました。

 

 

お店に入ると、確かに発酵食品独特の、だけれど今まで嗅いだことのない匂いがしました。納豆を鍋に入れたような、そんな匂いでした。楽しみになり、何度めかの「試すのは良いけれどどうしてもダメだったら素直に教えてね」を聞いたあと、注文をして運ばれてきたのはこのボックン、その味付けに使われていたのがチョングッチャンでした。

 

近距離になれば、湯気だけでむせそうな匂いかと思っていましたが、お店の中に漂う匂いとあまり大差はなく、自然に口へ運ぶことが出来ました。

 

最初の感想は、「そんなにキツいかな?」でした。よっぽど刺激の強い食品なのだろうと思っていましたが、そんなこともなく、ご飯を混ぜて頂くと家庭の鍋料理のような懐かしく、柔らかい味でした。納豆が苦手な方でも、これなら大丈夫なのではないかと思うほどです。

 

 

強いて辛口で言うのであれば、日本人としては醤油が欲しくなる味付けだったかもしれません。大豆の発酵した匂いから、刷り込まれた納豆の記憶が呼び戻されたのかもしれませんね。

 

気遣いから一転

同僚からは「無理していないか?」と言われましたが、全くそんなこともなく全て美味しくいただきました。これで、午後も乗り切れるような、そんな思いでオフィスに帰り、コーヒーを一口飲んだときのことです。口内に残っていた発酵大豆の匂いが一気に膨らみ、鼻から抜けていきました。自分の中の酸素全てがこの匂いに変わってしまったような、そんな気持ちになりました。

 

もしかすると、お店で食べていたときは、店内ということもあり、半分鼻が麻痺していたのかもしれません。自分がどれくらい匂いが強いものを食べていたのか、一方で、もしかすると白ワインやウィスキーには合うのかもしれないとも思いました。

 

同僚曰く、このチョングッチャンの鍋は、あくまでスープの元としてチョングッチャンを入れているので味としては弱めとのことでした。が、他の同僚に聞いてみたところ、連れて行ってくれたこのお店はごくごく標準的なものだそうです。

 

後日談

この日以降、チョングッチャンのお店に連れて行ってくれた同僚から「お前は、この会社一番のチャレンジャーだ」と色々な人に紹介してもらえるようになりました。これがきっかけとなり、どの国のオフィスに行ってもその国のローカルフードの紹介があり、一緒に食べに行くことが出来る関係になっています。

 

食べものが紡いでくれる人の縁はとても柔かく、そして強く人をつなぐ気がします。

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