初めてのヨーロッパ出張。朝4時から夜10時まで日が照らす時期、眠れず仕事をし続けた10日間だった。とある瞬間は、いつもそんな時にやってくる。疲れから白黒に見える世界に、彩りを与えてくれる、そんな出来事。
ベルギー・ブリュッセル空港からの出立、行列の税関に並び30分。出会った入国管理者の名前は、「K. Hendrix」だった。
Kengenius : “Do you know how much I respect you?”
(僕がどれだけあなたのことを尊敬しているか、わかりますか?)
K. Hendrix : “What do you mean?”
(どういうこと?)
Kengenius : “I used be a professional guitarist and working at Fender as well, see my t-shirt”
(昔、ギターでご飯食べていたんです。そしてFenderでも働くことが出来ました。今着ているFender Custom ShopのTシャツを見てください。)
K. Hendrix : “We might be brothers having the same mother”
(僕らは兄弟だね、同じ母親を持った)
Kegenius : “I am with you. Absolutely, we’ve already been before falling down to this world,”
(わかりますよ、仰っていること。僕らがこの世界にやってくる前から、そうだったのかもしれませんね。
K. Hendrix : “It’s a beautiful day today.”
(今日はとってもいい日だ。)
Kegenius “Additionally, It’s more like this, I have a nickname in playing like Jimi Hendrix, guest what?”
実は、僕はジミ・ヘンドリクスのように弾く時には、ニックネームがあるんです。何だと思います?)
K. Hendrix : “No, wait a second”
(うーん、なんだろう)
Kengenius : “My previous, the best boss gave me “Kendrix”
(人生で最高の、前職の上司がくれた「Kendrix」です。)
K. Hendrix : “Wonderful, this must be the destiny that we can meet here. Have a safe flight, my brother Kendrix!”
(素晴らしいよ。ここで出会えたのは運命かもしれないね。兄弟Kendrix、良い旅を!)
そう言って彼は、僕が出来ない自然なウィンクで送り出してくれた。
空いている列に入れなかったことで少し残念だったけれど、30分の待ち時間以上にこの心を癒やしてくれた。
人生は、たくさんのきらめき輝く瞬間に満ちている。旅は、それを思い出させてくれる。
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