最近、お仕事でお世話になり、知り合った方のお店に伺ってまいりました。加賀料理を核とした日本料理・割烹大志満です。
大志満とは
紹介文
加賀料理の店「大志満」は東京・横浜に6店舗、「すし勘六」は東京に2店舗展開しています。和の伝統を今にいかした日本料理、心を込めたおもてなしには、すべての店舗に大志満ならではの精神が受け継がれています。
まさにこの通り、伺えるとなると背筋が伸びる思いでした。
この日の献立が、奥に出ています。
しかし、実はお祝いということで特別にアレンジ + アップグレードしてくださったそうで、若干異なるとのこと。さらに緊張します。
献立
先付、食前酒
ヤマモモの食前酒と、あん肝豆腐。浅葱がわずかでも十分に香り高く、薬味として引き立てます。
お祝いの紅白なます
祝いの席であることを伝えたところ、紅白なますに折り鶴を添えてくださっていました。
箸置き
この紅白なますと出てきたのは、この日のために生花で作ってくれたという箸置き。味に心を加える、これこそ日本料理に限らず、和の心の真髄です。
椀
加賀の郷土料理である、治部煮。わさびがさやえんどうの奥に隠れて提供される、粋な心遣い。味は優しく調和し、それでいてそれぞれの具はしっかりと自らを保っています。
向付
刺し身の盛り合わせ、だったはずなのですが、これまで味わった刺し身という領域を超えて行きました。甘海老は、どこまでもまろやか濃厚が続き、鯛は歯応えで勝るものなし、鮪は海の王様、この刺し身だけで日本酒が進みます。
八寸
趣向を凝らした、季節の山海の幸を使って、わずかに創作で伝統を受け継ぐ。その一幕をじっくりと堪能させていただきました。
焼物
鯖と茄子の生姜味噌焼き。まるで、茄子は生姜味噌と一緒に頂くとなめらかなチーズケーキのように溶けていきます。鯖は皮の下に脂ののった身を隠し、もっちりとしたお麩とぜんまいの香の物が、一品として整えています。
酢肴
もし、この三杯酢を家庭で作れていたら・・・。きっと子供ですら酢のものが大好物になるでしょう。優しく僅かに酸味を感じる程度でさっぱりとさせてくれる、それでいてくどさは全くない。どうやったらこの三杯酢を作れるのでしょう・・・。
食事
心が満たされる食事を締めくくるにぎり寿し。海鮮一つ一つ、酢飯の一つ一つに神経が集中できて、ほどけていくのです。
日本酒
石川といえば、米どころ。その米で出来た日本酒は美味しいものしかありません。この日頂いたのは、東京ではまだ卸されていない「宗玄」。軽めとの前評判からは想像できない深さ、甘さが続く、良い酒です。
水菓子
最後にメロンといちごを頂き、2時間の幸せな時間を過ごしました。
お持たせ
去り際、部屋に生けてあるお花をお持たせにしてくださいました。日本酒と共に写っているお花がそれです。こんなお気遣いも一級、大志満クォリティです。
さいごに
日本料理や割烹に、堂々と行けるようになったら、素敵な大人の仲間入りだと思っています。そして、大志満はその大人が楽しむに相応しい場所、料理のクオリティを提供してくださいます。
イタリアンやフレンチ、中華とは少し違う日本料理の奥ゆかしさ。大志満で味わってみてはいかがでしょう。
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