さいしょに
新型コロナ禍が始まってから丸2年、自粛生活にも慣れてきました。
でも一つだけ我慢ならないことがあります。それは、蕎麦屋飲みができないこと!!家の近くにあるんだったら行けるんですけれどねぇ・・・、とGoogle Mapを見ていたところ、「いしかわ」なるお店を発見しました。
あれ?ここのお店なんだろう?とGoogle Mapの中の評判を見てみたら、蕎麦屋らしき内容の記載。
蕎麦屋飲みの前に、蕎麦屋があるならまず行ってみるしかない、と散歩しつつ行ってまいりました。
いしかわ
住所:〒181-0005 東京都三鷹市中原4丁目27−13
いしかわの3件隣にもお蕎麦屋さんがあります。逆に、それ以外のお食事処がありません。
訪問:2度目
※このブログで利用している写真は、初回訪問以降の写真を混ぜてお送りします。(カメラの設定ミスで、お蔵入りの写真が多くあったためです。)
Google Mapを頼りに行くと、お店がありました。

前評判にあった通り、完全に家でした。
中に入ってみると、なるほど、改装されてお店にしているんですね。

お店は基本的には、ご主人と女将さんが2人で切り盛りされているので、最大でも10人前後しか対応できないため、ちょうど良いサイズにした、ということでした。
メニュー
そばメニューを撮り損ねました。いきなりの訪問で飲むのはやめよう、しかもまだ土曜日の12時より前、午前中だし・・・。と思っていのたですがメニューを見た瞬間変わりました。

あら、いいですね。
決意は、迅速な作戦転換という名の下、崩すものです。ぜひ頂きましょう!
釈云麦
蕎麦屋飲みの醍醐味といえば、やはり蕎麦湯割り!女将さんのオススメに従って、「麦焼酎・釈云麦」をお願いしました。
プレミアム焼酎らしく、他ではあまり出しているところはないとおっしゃっていました。たしかにあまり見たことはなかったです。
焼酎は湯呑から蕎麦猪口へ、蕎麦湯で自分で好きな濃さに調整出来ます。蕎麦湯はなんと、お代わり自由だそうです。

お通しも、手作りだそうです。こちらは別の日のお通し。

釈云麦のふくよかで甘い香りが蕎麦湯で広がるのを楽しんだあと、蕎麦湯の沈殿に出会えます。

釈云麦1杯は、焼酎と蕎麦湯1:1の分量で約3回分の蕎麦湯割りが出来る量で提供されていました。これはお得ですね・・・。
出汁巻玉子
卵の色が濃く、とても綺麗で、蕎麦屋ならではの贅沢を感じられる味でした。

ちなみに、このサイズで1人前を半分にしてもらっています。
飲める出汁
「ウチの出汁巻玉子の出汁は、飲めますから。」という女将さんの言葉にびっくり。
スプーン付きで提供される出汁巻玉子の出汁、とても美味しかったです。蕎麦屋飲みの時間をゆっくりに、より贅沢に感じさせてくれるような、そんな味です。
角煮
この角煮はすごいですよ。

輪郭はしっかりと歯応えがあるのに、それ以外の中はしっかりと柔らかくほぐれる。男性が大好きな、食べ応えも感じられる、ご飯に合う角煮です。
「この食感に仕上げるためには圧力鍋では出来ませんし、ゆっくりと時間を掛けて煮る必要がありますよね?」と伺ったところ、その通り、とてもとても時間を掛けて作っている、ということでした。
合鴨の塩焼
蕎麦屋飲みの定番料理、合鴨の塩焼。柚子胡椒も自家製、ということでした。

昔から、「鴨がネギを背負ってくる」なんて言われていますが、ネギとの相性はバッチリですよね。お酒が進まないはずがありません。鴨の匂いが苦手な人もいらっしゃると思いますが、鮮度と料理のためだとは思いますが、特有の匂いは非常に少ないと思います。

自家製からすみ(冬季限定)
いしかわさんで出されている料理は、どれもこれも値段不相応(安すぎる)と感じられるほどの手間がかかっていると思います。その真骨頂が、この自家製からすみ(冬季限定)でした。

からすみは冷凍物を利用せず、高い日本酒で惜しみなく洗うところから始めているそうです。
一口いただくとその柔らかさは、冷凍物ではないということをはっきり感じることができます。これまでからすみが苦手だった方も、その意識を変えてくれるくらいの美味しさですので、ぜひ試してみて頂きたい一品でした。
女将さんが、「常連の方で、冬季限定にもかかわらずからすみを求めてくるのに、いつも5月頃お見えになり、食べられない方がいらっしゃる 笑」ということを教えて下さいました。
穴子の煮こごり
誕生日の夕食に訪問したところ、お店からのサービスで、ということで穴子の煮こごりをプレゼントしてくださいました。

「煮こごり」というと、甘い後味が残るイメージがありますが、爽やかに抜けていきます。その正体を、探し当てることが出来ました。
写真からも見て取れるかもしれませんが、ぜひお店で召し上がって、当ててみてください。
日本酒
これだけ美味しいものが続くと、今日はやめようと思っていた日本酒もいつの間にか注文してしまいますね。

この日は、佐久の花(長野)、屋守(東京)、旦(山梨)を旅してきました。
たっぷり、しっかりと飲ませて頂き、最後はいよいよ蕎麦・うどんです。
蕎麦のみならず、うどんもお店で打っているそうですよ。
玉子とじうどん
出汁巻玉子のみならず、こちらの玉子もきれいに輝いています。
風の谷のナウシカだったら、きっとこの金色の野に降り立ったんじゃないかな。

「玉子だけではないけれど、玉子は特に良いものを使っているからそれだけで美味しいの。」
19年間、広告も宣伝もすることなく続けてきた、というご主人と女将さんの言葉は、とても説得力がありました。
梅そば(冷)
見た目だけで美味しい、梅そば(冷)ですね。

どんなに日本酒を飲んだあとでも、梅とみょうが、そして、上等な細い蕎麦の歯ごたえとのどごしは、食べ足りない余韻を残してくれました。
おおもり
敢えてこのように記載させてください。昔、戦前生まれの父から聞いた言葉「もりそば(冷)の大盛りを「おおもり」と言うんだ」、それ以来、大人に背伸びするために、魔法の呪文のように「おおもり」を繰り返してきました。
出会うたびに趣向が異なる蕎麦。その中でも、蕎麦への真摯な想いを感じられる、それはそれは上質で綺麗な味がしました。

生意気にも、いまだに大人への背伸びをして、「おおもり」とお願いさせてもらっています。

蕎麦つゆはたっぷりと
それこそ、蕎麦通の方がおっしゃいます。
「そばつゆは少し付けて、あとは蕎麦の味を楽しむんだ。」

これくらいでしょうか。
正直、これくらいで事足りる濃さの蕎麦つゆのお店もあります。

蕎麦つゆが好きな方はこれくらいでしょうか。
否。

いしかわの蕎麦つゆはたっぷりつけていただきたいです。
蕎麦つゆが薄いわけではありません。これだけ付けても、蕎麦の味も楽しめる、最適な味に設計されていると感じました。たっぷり付けたとしても、蕎麦の味がさらにやってきます。
そして、気付けば蕎麦はなくっていました。
残りの蕎麦つゆに蕎麦湯を入れ、二胡のBGMが流れる蕎麦屋飲みを締めくるる最後のひとときを、新しい年への決意と共に過ごしました。
如月のスノームーン
冬の真ん中の帰り道、誕生日に満月を撮影できたので、蛇足ながらここに掲載させてください。

アルマニャック
帰宅後、開封した誕生日プレゼント:生まれ年のアルマニャックもうまく撮れたので載せさせていただきます。

思いっきりテレビ画面が写り込んでますね。笑
さいごに
旅行代理店を退職してから始められたご主人の蕎麦屋、いしかわ。19年間、宣伝も広告なくお店を続けてきたその味は、遠方からも多くの方がお越しになり、紹介で広まっていったそうです。確かに、自分だけが知っている良いお店であってほしい、という気持ちが込み上げてくる、とても良いお蕎麦屋さんです。
家も近いので、これからもお世話になるかと思います。よろしくお願いします。
最後に、今回、いしかわの女将さんにブログ掲載のご許可をいただき、ブログ化しました。
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