日韓関係と外交問題と – Another Sky

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なぜこの記事を書いたのか

まず初めに、この記事を書くにあたっての前提を記載しておきたいと思います。

 

僕のことを元々知っている人であれば、愛国主義者であり、どちらかというと極右に近い思想の持ち主ということで一致することが多いと思います。それに加え、一言で言ってしまえば厄介者であり、扱いにくい人として認識されることが多いと、自覚しています。しかしながら一方で、プロフェッショナルとして、多言語でのコミュニケーションを軸として、多分野でのコンサルティングをさせていただいております。そして、(自身ではそのスキルを活かしたと思っている)現職においては「幸」で、まだ未到達であった地域への出張も多くすることが出来ています。

 

そして、韓国という国での仕事は、この会社で初めて足を踏み入れることとなった未到達地域のうちの一つで、この記事を書き始めた出張で7回目の訪問となりました。その中で、回を追うごとに見えてきた現実を更に踏み込んで理解しようとしてる現在進行系の状況と、韓国にいる際に現地で周知されている一般情報と、日本に帰ってきて聞くメディアからの情報、相互にどう感じているか、どう感じていると思われているか、ということを残しておきたいなと思ったのです。

2019年の今

日本では安倍政権が続いています。一方、韓国では文政権となり、朴政権よりも実態経済としても悪化しており、外構も不器用、不格好と言わざるを得ない状態が続いています。そのため、日韓関係は悪化の一途を辿っているとされています。しかしながら、韓国現地でそれこそろソウル駅の正面では文政権に対するデモも行われてもいますが報道はされていません。この仕事をしていると、現地で自らの見てきた現実とメディアからの情報乖離はインターネットが進化した今日でもしっかりと残っているようで、その狭間を生きているような感覚になります。

 

学歴社会

まず、私が韓国に行くことが出来るようになった理由として、現在の勤務先が韓国にヘッドクォーターを持つ企業であるためです。そして、韓国の中ではかなりの優良企業に入ります。ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、韓国の文化として日本以上の学歴社会です。学歴がなければ、一生鍋を提供するレストランで働かなければならないと揶揄される状況は、「一生マクドナルドで働きたくなければ、しっかりと勉強しなさい」と親に諭されるというアメリカのそれと似ています。故に、まず良い企業に就職するためには良い大学、良い高校、良い中学校、良い小学校、良い幼稚園という非可逆の道を外すことなく歩まねばなりません。この難関を乗り越えて来た方々は自然と「できた人」になり、優良企業には「できた人」が集まります。

徴兵制度

「できた人」だけでなく、韓国には(ほぼ例外なく)2年間の徴兵が発生します。軍隊式での上下関係の下で過ごす2年間は、その後の社会でも絶対的な基盤として存在しています。以前に比べれば、その格差は少なくなったと言われています。しかしながら、企業方針や部署のミッションから外れる内容であったとしても、上司であるがゆえに意見もすることとができず、苦虫を噛み締めているような表情をしている方を、会議の中で何度も見たことがあります。

現実

日本も同様に学歴社会ではありますが、学歴至上主義はだいぶ弱まったのではないかと思います。バブル崩壊後の失われた20年を越え、その多くの”元”優良企業の破綻、倒産等を過ぎていくうちに終身雇用制度が約束されているものではないと認識が増えていった中で、年功序列も消えつつある社会となってきているように見えます。しかしがら、有望な将来に向かって敷かれているレールから一度逸れると再復帰はなかなかどうして難しいというのは韓国とも酷似している点であるかと思います。

 

そして、世代間の格差や相違は進む一方、資本主義の予想された形の通り、人口減少の道を進んでいます。「老兵死なずしてただ去るのみ」は別世界の話として、若い世代の希望を少しずつ削り、過去の負債を未来に押し付け、技術大国と言われたのが今は昔となってしまいました。かといって、新しい価値観へ100%移行したかというとそういうわけでもなく、まだどこへ向かっているのかはわからず、過渡期なのかもはっきりとしていないようにも思える、そんな状況が今しばらく続いています。静かに世代間での大きな隔たりが表面化しつつもありつつ、政治へ反映される選挙では、まだ数の原理で勝利する状況が続いています。人口の世代比率が徐々に変化し、いつか大きく翻すときがくるかもしれませんが、現状ではその兆しは見えません。

 

似て非なる隣国

似て非なる環境と背景を持ちながら、結局は関わらざるを得ない地理的位置に存在する隣国のまま、時間が過ぎていきました。両国共に経済問題を政治や外交問題を使って国民の目線を逸らしながら、それでも世界は回っています。その中で「海上自衛隊の哨戒機が韓国軍から射撃管制用レーダーを照射される」ような事件が起きると、問題点は多分野で同時に表面化し、混沌とします。国の背景、世代間の相違、政治間の問題、経済問題、たくさんのレイヤーで異なる要素が織り交ぜられて、人々を巻き込んでいきます。特に韓国では先般の国内における世代間の確執や歪みが軍部にも出てきてしまい、ハリボテのような説明に終止したのは、内部の状況がそのまま反映されてしまっているようにも見えます。そして、以前ほどの高度成長が見込めなくなった世界においても、まるで誰かが狙っているように、争いを起こしたがっているように、誰がけしかけられているように感じてしまいます。

ちょっとした優しさ

今この文章を書いている金浦行きの機内でも、堅苦しい文章を和ませてくれることが起きました。

 

座席を間違えた韓国の方がCAさんを通して韓国語で事情を説明し、既に着席済みの色々な方々が全員座席移動するよりは、ということで間違えられた座席の日本人の方がケンチャナヨと返す、それに対して元々座席を間違えた韓国の方が「すみません、私が悪いのに」と日本語でも返す。そんなやり取りがありました。

 

閑話休題

人と人は、人種や宗教、性別を気にすることもなく触れ合い、とても優しい瞬間を生み出すときもあれば、突然、明白な悪意を持ってぶつかり合い、傷つけ合うこともあります。その微妙で明確な違いを発生させる要素を言語化しようとすると面白いプラクティス本が出来るなとは思っています。ですが、人間が持つ複雑な感情と環境因子が多すぎて、考えうる可能性の組み合わせはAIに作り出させる方が楽かもしれないとは思いつつ、AIの手が届かないかゆいところに手が届くのは、それも人なのだろうなと思ってしまいます。

 

自らの仕事である、ITとコンサルティングを否定するかのように聞こえる言葉かもしれませんが、2019年の今、巷で「AI」と呼ばれているそれは、人が作り出すアルゴリズムに過ぎません。完全に自律したAIであっても、コアカーネルに近しいその根本、もしくはそのコアカーネルすら作るAIが誕生したとしても、辿れば人が考えるアルゴリズムによって生成されているに過ぎません。完全に閑話休題です。

 

まとめ

このブログを書いている間にも、状況は変わっていました。北朝鮮への石油横流しである「瀬取り」が国連からの指摘によって明らかになった韓国と、実質賃金における調査結果を操作した内容を基に厚生労働省からもたらされた報告を以ってして増税へ進もうとしている日本。静かに複雑化し始めた混沌の時代に、日本と韓国がこの先どのような関係で、お互いどの地点にいて、どの方向に向かおうとしているのか、未だ見えてはいません。それでも、希望を持って前向きに未来に歩み続け、良い未来を描けることを、両国で働く立場にいる人間として切に願っています。

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